バブル懸念 2011 9 18

 9月16日の朝日新聞には、興味深い記事があります。
以下は、引用です。
「アメリカの農地、バブル懸念」
「穀物高騰、マネー流入」
 トウモロコシや大豆といったアメリカの農地が、
マネーを蒔いてマネーを育てる投資商品になっている。
 世界的な穀物価格の上昇に、
金融緩和による金余りが加わり、マネーの流入を誘った。
以上、引用。
 普通、畑には、種を蒔いて植物を育てるものです。
ところが、アメリカでは、
畑にマネーを蒔いてマネーを育てる投資商品になっているのですか。
 やはり、どこかでバブルは発生するものですね。
人間というものは、バブルなしでは生きられないかもしれません。
いや、時として、人生においてスリルを求めるものでしょう。
 ただ、ちょっと注意してほしい。
バブルが発生した時に、いやバブルの最終局面において、
投資は、チキンレースとなります。
 私の記憶が確かならば、
ジェームズ・ディーンが主演した映画で、
「理由なき反抗」という映画があったと思います。
その映画では、崖に向かって全速力で車を走らせるのです。
そしてギリギリのところで車から飛び降りるのです。
 あるいは、先にブレーキを踏んだ方が、
「負け」となったという話だったかもしれません。
 誰もが恐怖に怯えながらも、
チキン(臆病者)と言われないために、
この無謀で危険なレースを続けるのです。
 これが、バブルの最終局面でも出現します。
しかし、みんな、バブルだと知りつつも、
誰も、このチキンレースから降りられないのです。
 数年前、アメリカでは、
投資銀行が、このレースを展開し、ほとんどの銀行が転落しました。
 なぜか途中参加の巨大保険会社も、
結局、転落し、政府が救済することになりました。
 事実は小説よりも奇なり。
いや、「事実は映画よりも奇なり」でしょうか。
 もっとも農民投資家は、ウォール街の猛獣と違って、
チキンレースはやらないかもしれません。
(注)
「事実は小説よりも奇なり」
世の中の実際の出来事は、虚構である小説よりもかえって不思議である。
英国の詩人、バイロンの言葉。
(goo辞書から)

バブル・リレー 2011 9 10
 私は、陸上競技では、リレーを見るのが好きです。
100メートル走と違って、リレーには「波乱」があります。
 ところで、経済にも「リレー」があります。
最近、アメリカでは、日本と同じように、
「失われた10年」になるのではないかという議論が出ています。
 そういう議論が出ているうちは、まだ余裕があります。
欧州は、金融的な火事の延焼を防ぐのに精一杯で、
そんな議論をしている余裕はありません。
下手をすれば、欧州全体が焼け落ちる可能性があります。
 話がそれましたので、元に戻します。
厳密に言えば、アメリカは、日本と違います。
そもそも、始まりは、「ITバブル」の崩壊でした。
このバブル崩壊から、どう立ち直るか。
 そこで、バブル崩壊後の不景気は、
新たなバブルで解消するために、
不動産バブルや金融バブル、
変わったところで、対テロ戦争という軍事バブルで、
ITバブル崩壊後の不景気を乗り切ったのです。
 そんな「経済の仕組み」を知っている欧州においては、
二酸化炭素の排出権取引というバブルが企画されたのですが、
さすがに、チューリップならばともかく、
「空気」までバブルの材料にしてしまうのは、
気が引けると「欧州の良心」が働いたのかもしれません。
(かつて、欧州においては、チューリップ・バブルがありました)
 さて、私は、かつて、このようなことを書きました。
軍事産業を除けば、アメリカは、いつの間にか、
工業国家から「消費国家」になってしまったと。
 そこで、アメリカは、
不動産バブルに金融バブル、軍事バブルを発生させたのでしょう。
実に理にかなった「経済政策」だと思います。
 この数年、アメリカ政府は、世論に押されて、
金融規制の強化を図りました。
(アメリカの主要産業は、金融業になっているにもかかわらず)
 また、不景気の時は規制緩和、好景気の時は規制強化を考えるべきなのに、
よりによって、不景気の時に規制強化をするのは、おかしいと思います。
 こうしたアメリカの産業構造の変化を無視して、
景気対策をしても、効果は出にくいと思います。






























































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